2019年9月9日月曜日

【某中堅私鉄勤務の社畜鉄道マン】No,0000009「第1日目〜列車本数の少なさと徹底した効率化とは〜」

某中堅私鉄勤務の社畜鉄道マンが語る
徹底したプロ目線とビジネス感覚で斬る
今までなかった新しい旅ブログ


No,0000009
試される大地を北海道フリーパスで巡ってみた
「第1日目〜列車本数の少なさと徹底した効率化とは〜」


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◆鉄道の経営には徹底した効率化が求められる
2両編成より1両編成。2本の列車度数より1本の列車度数。それでいて、同じ数のお客様にご乗車いただけるのであれば、鉄道会社にとってそれは「効率化」が果たされたことになります。お客様のイメージは真逆。1両編成より2両編成や3両編成。1本の列車より2本の列車。




この辺りの「認識の齟齬」を埋めるのは「誠実な対話」ではなく、企画乗車券の発売などに依る「運賃の低減施策」または、徹底したおもてなしという意味での、お客様サービスに代表される「インセンティブの付与」以外にありません。

そんなことが果たして可能なのか。

通常の発想からは「無理」と言わざるを得ません。お金がないから、収益力に乏しいから、誰も使わないから、投資の対象としては次々に外れていくわけで、従業員への給料カットという報い、株主に対する無配当という仕打ち、清掃回数がどんどん削減される駅構内の汚いトイレ、掃除がされなくなったエレベーターやエスカレーターの汚いホコリ。



どうしたらこれを解消できるのか。本当に毎日が悩ましく人口減少社会による市場の縮小(=要するに誰も乗らなくなる)に、財政力の乏しい中小弱小私鉄が、どう立ち向かうのか。ある意味解決手段が見つかれば、ノーベル経済学賞が受賞できそうですが、柔軟な発想とアイデアを用いたとしてもそう簡単には解消できないのです。

今回訪れているJR北海道さんの取り組みを、私の目線ではありますが、様々な観点から拝見させていただいているところですが、やはり営業系の社員と技術系の社員の連携プレイが、より一層進んでいるところに非常に好感を持ちました。

人材難や採用難と言われているように。これから斜陽産業である鉄道業界は、ますます優秀な人手が採用できなくなってくることが予想されます。



倶知安の駅に降り立つと。それは涙ぐましい光景が私の目の前に広がっていたのでした。それぐらいしても当たり前だろと言われればそれまでなのですが。鉄道業界、いや、鉄道会社というのは、極めて自分たちのナワバリ意識が強く、また、極めて縦割りの世界でしか、仕事ができない職場なのです。

それを打ち破ったのは。

技術系(=簡単に言えば作業着+ヘルメットの社員さん)社員が「ご乗車、ありがとうございます。」とお客様1人1人に丁寧にご挨拶。営業系社員はその間、みどりの窓口で発見作業に勤しみます。

これも新しい鉄道事業の姿。なのかもしれません。誰にとってもお客様は本当に大切なお客様。鉄道をご利用いただける方を社員全員で、なんとか恩返しがしたい。そんな姿勢がなければ「この姿」を見ることはないでしょう。



JR北海道は赤字企業だ!国営企業だ!税金が投入されている!などなどの批判的な記事や論調が溢れかえっていますが。果たして本当にそれは正しいのか。私にはそれが全く正しい「描かれ方」ではないかと感じています。

最もフォーカスすべきは「現場のみなさん」なのです。涙ぐましい努力、地道な作業、そして。お客様への感謝。現場最前線の彼らがいなければ。

鉄道事業は運営できない。

この感覚を持って巨大なインフラを維持する。維持していく。まだまだ勉強できることは山のようにありそうです。


2019年8月9日(金)ぐっち執筆