2019年9月8日日曜日

【某中堅私鉄勤務の社畜鉄道マン】No,0000008「第1日目〜新幹線が来る予定の町の今とは〜」

某中堅私鉄勤務の社畜鉄道マンが語る
徹底したプロ目線とビジネス感覚で斬る
今までなかった新しい旅ブログ

No,0000008
試される大地を北海道フリーパスで巡ってみた
「第1日目〜新幹線が来る予定の町の今とは〜」

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◆北海道新幹線の駅ができる
新函館北斗。しんはこだてほくと。新函館駅にしたら函館市内に無いのに「どこが函館駅なんだ!」というお叱りを受けて。駅が所在する北斗市の意向も存分に聞いてしまった。という紆余曲折な駅名ですが。新幹線はやはり政治色が強くなってしまう。

リニア中央新幹線を自前の資金で作る!と言ってのけたJR東海さんの気持ちが良くわかります。苦笑。


これから通るところも。実は北海道新幹線の建設が真っ最中なのです。北海道新幹線の札幌延伸。小樽駅には新幹線が来ないので「新小樽(仮称)」が建設予定。今から乗車する区間は要するに並行在来線の扱いとなって、地元の沿線自治体がその経営を担う予定とされている区間に入ります。


倶知安。くっちゃん。一般の方なら難読駅名。地元の方なら読めないなんてありえない。鉄道ファンなら余裕で読める。この倶知安は「地価の変動率」でも市町村単位で日本一という非常に面白い地域です。変動率は+42.42%という極めて高い数値。新幹線の駅ができるから。だから地価の上昇率が極めて高い。というだけではないのです。

外国人が移住している。そう。冬のパウダースノーに惚れ込んだ外国人たちが押し寄せる。そんな街なのです。北海道の人気は海外でも非常に高い。でも、それを裏付けるかのような美しい羊蹄山。私も大好きな場所の1つです。


小樽から長万部(おしゃまんべ)の間は函館本線の通称「山線(やません)」と呼ばれる区間に入っていきます。小樽までの電化区間は新幹線開業後も札幌都市圏ということで、引き続きJR北海道の経営になることが決まっていますが、ここから先は沿線自治体が集まって今後の並行在来線をどうやって維持するのか(※ちなみに廃止もありき)を議論する会議体も立ち上がりました。


私のJR北海道で最も好きな車両。キハ150系。ふかふかのボックスシートに身をゆだねて、過ぎ去る景色を眺めます。鉄道を維持するのは難しい。でも、それを必要としている人がいる。様々な論調がある中で、真面目に経営をしようとすると。考えるべきことは山のようにあります。


鉄道の維持は「覚悟」が必要なのです。言い換えるならば「誰がそのお金を出すのか」と。地元の沿線自治体がその資金を供出するのであれば、それは「地元の住民のため」という大義名分で行われることになります。

観光客のために「鉄道を維持する」だけではないのだから。鉄道の維持は「定期券の売れ行き」がそれを左右します。定量的なご利用があってこそ。鉄道の輸送力が発揮される。この議論無しに「単に鉄道を残せ!」という論調が散見されますが。私に言わせれば全て間違いです。

じゃあ、毎日乗れよ。と。

北海道には残念ながら自然災害の影響で普通になってしまった区間があります。果たして鉄道で残すことが地域にとって最も大切なことなのか。これは真剣に議論されるべきです。単に「鉄道の方が良さそうだから」というイメージの議論では前には進みません。


誰のための。鉄道なのか。地元の皆さんのため。この地域を愛してやまない地元の皆さんのため。そして、素晴らしいこの地域を訪れたいと思う全ての旅人のため。

色々な考え方が入り混じります。

鉄道事業を維持する要はやはり。定期利用者の確保。とにかく出来るだけ高い単価の乗車券(=ようするに普通乗車券)で乗る。そして収入を上げる。地道にこの努力しかありません。いや、これ以外にありません。

あれこれを考えていると。列車は終着駅である倶知安に到着しました。本当に新幹線が来るのか。長閑な雰囲気に早速癒されることになりました。

小樽から倶知安までは比較的利用の多い区間でもあるので、観光で訪れたであろうお客様、毎日毎日通学で利用している高校生。そういうローカルな雰囲気がとても素晴らしい区間でした。

2019年8月8日(木)ぐっち執筆