2019年9月7日土曜日

【某中堅私鉄勤務の社畜鉄道マン】No,0000007「第1日目〜あの手この手の増収施策に見習うべきもの〜」

某中堅私鉄勤務の社畜鉄道マンが語る
徹底したプロ目線とビジネス感覚で斬る
今までなかった新しい旅ブログ


No,0000007
試される大地を北海道フリーパスで巡ってみた
「第1日目〜あの手この手の増収施策に見習うべきもの〜」


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◆安価で快適で便利な「移動」の代償とは
鉄道の得意分野。それは「長距離」を「たくさんの人」に「高速」で「移動してもらう」ことです。東海道新幹線が最強の収益源であるJR東海。1列車1億円なんて言われるほど。東京から大阪までの我が国の二大都市を2時間30分で結ぶ。厳密にはもっと今は速度が向上したので更に早い。でもそれは需要もあって。使う人が多いから。惜しげもなく投資して「輸送本位」でやっていける。ある意味で羨ましい。いや、そんな鉄道会社は世の中にそう多くはない。




鉄道であることの意義すら失ってしまった路線。これを維持するのは並大抵のことではありません。乗る人がいない。需要そのものが存在しない。速度は軽自動車より遅い。こんな状況の鉄道を「守れ」と言われても。それには多額の収入が必要となります。




小樽駅に到着。ここでも先日お話した「デザイン」が既にブレてしまっていることがお分かりになるかと思います。社畜鉄道マンが旅をすると、こーいうところばっかりに目が行ってしまうので。楽しくないかもしれませんね。笑。


そこまでこの駅名看板で読み取ってしまえるほど。鉄道会社の経営というのは非常に難しく苦しい。そんな会社が大多数なんです。


「S15」というナンバリング。儲かって仕方ない路線であれば駅名看板そのものを変えてしまうはず。でも小樽駅ですら「シール」なんですね。こういう地道な経営努力。付かない予算。使えないお金。それでも対応しなければならないというジレンマ。




列車本数と列車種別の差。これを感じ取ってもらいたくて。小樽駅から東側は儲かる区間で西側は儲からない区間。その差は歴然ですね。このエリアではJR北海道管内では比較的マシではありますが。苦笑。もっと僻地に行けばエグいです。



新型車両を導入するのも。簡単ではない。装置産業である鉄道業界。いったいどこに何を投資するのか。さじ加減一つで会社経営すら揺らいでしまう。鉄道会社は現業が命だ!というお話が多いですが。実は本社系の総合職社員だって毎日毎日上がってくる「▲」ばっかりの日報を見ながら胃をキリキリさせているのです。




収入が全く上がらないのに。どうやってこれ以上サービスを維持しろって言うんだよ。鉄道である意味ってなんだよ。自問自答ばかりする毎日です。鉄道の維持。それは何のためにやるのか。この視点はお客様には関係のないこと。でもありません。


鉄道事業は全て自前。こんな言い方をすることがあります。例えば分かりやすい例でいうと。全日空は羽田空港を作らない。高速バス事業者は高速道路を造らない。フェリー会社は港を作らない。鉄道は自分たちのために自前で線路を敷き、駅舎を立てて、橋梁を架ける。この鉄道目線から競合交通機関を見ると「圧倒的にズルい」のが良くわかります。




この辺りは徐々に詳しくお話をしていくつもりではありますが。収入を上げるための努力の好事例。JR北海道さんの「わが町ご当地入場券」です。1枚170円で販売。でも現地に行かなければ買うことはできない。鉄道ファンって結構収集癖があったりするので巧みにその生態を突いた好企画です。




2019年9月30日で企画が終了することが最近発表されました。券面等に印字されてしまった入場券の料金記載が問題だと考えられますが、私もこの戦略にドはまりしています。笑。これは面白い。そして欲しくなる。買いたくなる。


たかが1枚。170円。でもチリも積もれば山となる。80万枚も売り上げてしまうとその効果はなんと。1億3,600万円。駅で販売していない委託販売店(コンビニとか駅前の商店のこと)への販売委託手数料を差し引いても十分に有り余るその売り上げ。




鉄道会社だったのにセグメント単位での売り上げ構造が変化してしまった銚子電鉄さん。濡れ煎餅屋さんが鉄道事業を営むなんて時代にも近づけそうな勢いです。 副業が本業になんて。働き方改革が叫ばれて久しいこの時代。鉄道会社は必至なのです


こういう切り口というか、経営センスを私も磨かなければなりません。



2019年08月07日(水)ぐっち執筆